北海道アオサギ研究会

江部乙コロニー周辺整備事前調査

5月10日、江部乙コロニー植樹作業に関わる事前調査を行いました。この調査は来年のこの時期にコロニー周辺で行われる予定の植樹作業がアオサギの営巣にどのていど影響があるのかを見極めるためのものです。

調査は日本野鳥の会滝川支部の越後さんと道関係の方4名、それと私の計6名が参加し、11時からの約20分間行いました。調査の方法は、越後さんと役所の方々が植樹作業を行う場所を歩く間、私がコロニー全体が見渡せる場所で巣の様子を観察するというものです。

結論から言うと、人が立ち入ることによる影響はほとんどありませんでした。巣を離れることはもちろん、首をもたげて警戒することすらありませんでした。抱卵態勢のままちらっと人のほうを見るくらいはあったかもしれませんが、ほぼ影響は無いとみて差し支えないだろうと思います。私としてもここまで警戒しないというのは驚きでした。

ここでコロニーの状況を少し詳しく述べておきます。このコロニーがあるのは江部乙郊外のカラマツ林内で、越後さんが今年3月6日に行った調査では72巣が確認されています。当カラマツ林は道が管理する種母林で、一帯は『交流の森』として整備されており、市民が園内を散策できるよう散策路も設けられています。街中の公園ではありませんので来園する人は限られていますが、それでも日に数人の利用はあるようです。このことから、日ごろから人の往来に対してあるていど馴れているものと思われます。コロニーが位置するのは左図の右側、No.1とNo.2の区画で、植樹が行われるのは左側の区画です。両区画は散策路をはさんで隣接しており、散策路から一番近い巣までは約30mていど離れています。また、ここのカラマツは種母樹だけあって樹高が高く、アオサギの巣の位置が他のコロニーにくらべ高いこという特徴があります。このこともアオサギの警戒心が弱い原因のひとつかもしれません。

このようなことで、来シーズンの植樹作業は予定通り行っても問題ないという結論に至りました。来年の植樹は10人ほどの人数で1時間ていどで終わる予定とのことです。