北海道アオサギ研究会

篠路コロニーの伐採作業に関する抗議・要望書提出

5月17日、札幌市の管理する「篠路の森緑地」において樹木の伐採作業が行われました。当該緑地は以前からアオサギの営巣地になっており、この作業により約60羽のアオサギ(当時、コロニーにいた飛翔可能な全ての個体と考えられます)がコロニー上空を逃げ惑う姿が目撃されています。当研究会ではこの連絡を受けた後、市に対し直ちに作業を中止するよう申し入れるとともに、翌18日、札幌市北区土木センターを訪ね、同北区土木部宛に『篠路の森緑地における樹木伐採作業に対する抗議および要望』を提出しました。

市の担当者によると、今回、伐採された木は数本で、いずれも散策路への倒壊が懸念される危険木だったようです。市に連絡をとった時点で1本が未伐採のまま残されていましたが、この1本についてはアオサギ営巣中の伐採は行わず、周囲への立ち入り禁止の措置をとるとの回答を得ました。

なお、当コロニーを作業当日の日暮れ前と翌早朝に観察したところ、はっきり分かるような異変は見られませんでした。もっとも、当コロニーは継続して観察しているわけではないので、作業の前後でどのような変化があったのか正確には分かりません。いずれにしてもコロニーが放棄されるような深刻な事態にはなっていないようです。

今回の抗議・要望書では下記の2点について文書で回答するよう申し入れました。

1. 篠路の森緑地での伐採作業に至った経緯の説明
2. 今後、アオサギ繁殖地で作業が必要になった場合のアオサギに対する配慮

〔5月30日追記〕 これについて、市から5月26日付けの回答文書『篠路五ノ戸の森緑地の危険木伐採作業について』を受け取りました。今後はアオサギの営巣期間中は作業は行わず、これを緑地管理の指針として定めるとのことです。なお、回答ではアオサギの想定営巣期間が4月から7月となっていましたので、『篠路五ノ戸の森緑地におけるアオサギ営巣地の保全に関する要望』で再度、時期を3月からに変更するよう要望しました。