北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

様似コロニー

コロニーの全景

様似町様似の道道233号沿いの山の斜面に位置する。コロニーから道路までは120mほどの距離があり、その間は牛牧場になっている。牧場内には道路と平行してイサカナイ川が流れている。コロニーは急斜面(斜度約40度)にあり、牧場からコロニーまでは約8mの高さがある。斜面一帯は広葉樹の林でツル植物が非常に多い。コロニーの上部には廃道が通っており、廃道より上部の林はコロニーのある林にくらべ木がやや細い。

2001年12月13日に行った調査では、イタヤカエデ5本、カツラ3本、ミズキ2本、ハルニレ、オオモミジ、サワシバ、エゾヤマザクラ各1本、不明3本の7種17本に、計26巣を確認した。林床はチシマザサが優占していた。営巣面積は約600m2であった。

様似町の小野哲弘氏によると、このコロニーは1994年頃成立したという。また、コロニーに隣接する牧場の人によると、最初2羽で来たのが徐々に増えたということである。なお、小野氏はこのコロニーから約800m南のカラマツに、1992年頃から2000年までサギが営巣していたのを確認している。この間、たいていはひとつがいであったが、ふたつがいの時もあったそうである。なお、このサギについてはアオサギでない可能性もあるという。2001年12月13日にこの場所を調査したところ、カラマツ3本に3巣を確認した。これらは南北30mほどの間に直線上に並んでいたが、このうち2巣はツル植物に覆われ使用できない状態であった。営巣木の周辺はカラマツと広葉樹の混じった林で、林床はチシマザサが優占していた。この林は西向きの斜面にあり、幅15mほどのトドマツ林を隔てて牧場に面している。

コロニーの位置(大きな地図で見る
コロニーの周辺環境
コロニーの内部