北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

苫前コロニー

ため池とコロニーのある沢

苫前町旭、古丹別川北方の丘陵地にある。コロニーは広葉樹林にあり、谷地を取り囲む斜面に立地している。斜面は高さ約15m、斜度約40度で、細かい沢筋が何本も刻まれ地形は複雑である。斜面の北側はシラカンバなどの林を隔てて牧草地になり、斜面の南側は広葉樹の林を隔てて丈の低いトドマツ林となる。コロニーの西側にはため池があり、その先は水田が広がっている。

2002年11月9日に行った調査では、ミズナラ34本、シラカンバ10本、イタヤカエデ9本、ハルニレ8本、ホオノキ7本、シナノキ4本、アカイタヤ2本、ハリギリ2本、キハダ2本、ミズキ1本、不明1本の10種80本に、合計191巣を確認した。低木にはオオカメノキなどがあった。林床の草本にはササ、ミゾソバ、シダ類などが見られた。営巣面積は約4,000m2であった。

1990年5月14日に松田あおい氏が行った調査では、ハルニレ11本、シナノキ7本、ホオノキ5本、ハリギリ5本、エゾイタヤ4本、ヤチダモ2本、エゾヤマザクラ2本、不明2本の7種38本に、使用巣70、古巣3を確認している。

苫前町の有田智彦氏によると、このコロニーは1987年頃にできたという。1989年にはこのコロニー内でダイサギ、コサギ、アマサギが観察されている(朝日新聞 1989.5.27)が、同氏によると繁殖した可能性は低いということである。なお、地元の人によると、このコロニーにアオサギが飛来するのは3月の彼岸前だという。

コロニーの位置(大きな地図で見る
コロニーの周辺環境
コロニーの内部