北海道におけるアオサギの生息状況に関する報告

Status Report of Grey Herons in Hokkaido

宇摩コロニー

旧コロニーの全景

深川市ウッカ、雨竜川の北約100mに位置する。コロニーは平坦なカラマツの植林地内にあり、南側は水田で開けている。水田とカラマツ林の間には砂利道があるが交通量はほとんどない。カラマツ林の北側はシラカンバなど広葉樹の疎林である。コロニーの東西にはカラマツ林が続く。

2001年11月20日に行った調査では、カラマツ64本に79巣を確認した。林床はササが優占していた。営巣面積は約2,000m2であった。コロニー内ではほぼ全てのカラマツが営巣木として利用されていた。

幌加内町の内海千樫氏によると、このコロニーが成立したのは1993年か1994年頃で、最初は現在の場所から約300m離れた雨竜川対岸のヤナギで営巣していたという。ところが、ヤナギにあった巣は大雪のため2巣を残して全て落ちてしまい、この年以降アオサギはカラマツ林へ移って営巣するようになったという。しかし、これが何年のことであったかは不明である。なお、ヤナギに残された2巣はその年は繁殖に利用されていたという。

新コロニーの全景

【追記(2013年7月)】幌加内町の内海千樫氏によると、2001年に調査したコロニーは2006年に放棄され、同年、約700m南東の雨竜川の対岸にある山の斜面に新たなコロニーが成立したという。2013年6月14日、新設されたコロニーを国道より観察したところ約60巣が確認できた。死角になる部分が多いことを考慮すると、少なくとも80巣ていどの規模にはなるとみられる。コロニーのある斜面は針広混交林であるが、コロニーは針葉樹のみからなる区画に位置している。コロニーの幅は約35mである。北大中川研究林の奥田篤志氏によると、2013年6月、当コロニーに少なくとも6羽のシラサギ類を確認したという。

コロニーの位置(大きな地図で見る
緑:旧コロニー 青:新コロニー
旧コロニーの周辺環境
旧コロニーの内部